ダメ女といささか頼りない男の子を書いてみたつもりだった感じですが、どうでしょう?フォニーの勤労なわりにダメダメでヒモな感じを書いていくにつれ、こういうのが実は一部の男に受けるのかもと思ったりしていました。ほしいものを欲し…続きを読む
長編
ドラッグストアへようこそ エピローグ
「おいしい」 栄養ドリンクを飲み干したフォニーは一人笑みを浮かべた。 フォニーの精力補給源はベータのみでおおむね落ち着いているが、宴会で魔族一同に評判だったため、味と性能向上目的で時々飲んでいる。 もちろん、そんな代物を…続きを読む
ドラッグストアへようこそ 72
フォニーは『馬鹿な男だったな』と思いながら森に戻った。 ベータだったらあの男みたいなことはしないだろうとその場を去り、木の股に戻って朝。一寝入りしたから今はもう昼過ぎ。 精力は絞れるだけ絞ったのだが、心のどこかが疲れて…続きを読む
ドラッグストアへようこそ 71
翌朝部屋を見た時も、フォニーは昨日と同じように思った。—————ここにはベータがいない。 今度は落ち着いていた。 部屋を片付ける。いらないものを街の中古品の店に置いていく。 戻る場所を作る気もなかった。元々あってもなく…続きを読む
ドラッグストアへようこそ 70
—————そういう…こと…? 正しいのはあの家を出ていくフォニーだ。そういうふうに、強引に思っていた。 最初に出会ったときから順番に少しずつベータのことを思い出していく。 あの薬屋で一人謎の実験と孤児院の往復を繰り返す男…続きを読む
ドラッグストアへようこそ 69
—————明るい。 前は光の先にさらなる闇があった。でも今は。—————『HOREKUSURI』。なんで!?? 夢の中のはずなのに、今さっき見てきた薬屋の店構えが完全再現。 前回は行きの通路よりも真っ暗な暗闇にベータが突…続きを読む
ドラッグストアへようこそ 68
精力はしっかり補充でき、魔力でで満たされているのに、どこか空虚なまま1週間が過ぎて。 少年の家だけでなくさらにもう1件成果を上げることができていたフォニー。 今の時点で予定していた戦果が上がっているのが分かっていた。 …続きを読む
ドラッグストアへようこそ 67
人間界への入り口をくぐった先は森。 ベータと暮らしていた時も行き来していた森で、洗濯したり体を洗ったりしていた川のそば。—————別にその前からずっと使ってたのに、なんで、アタシ、 と思ったところでガサガサとウサギが飛…続きを読む
ドラッグストアへようこそ 66
「じゃ、ここに乗ってくださぁ~い」 いわれるがまま何かの石の上へ。「適当なとこに飛ばすんで、後は自活してってことで。じゃ」「え、え、あ、そゆことなの?」「そゆことで~す!」「早く消えてしまえ!」 マルタンの声が聞こえた直…続きを読む
ドラッグストアへようこそ 65
マルタンは開け放したドアを背に、カウンターの前に立っていた。「用意は」「えっと」 後ろを振り返るがベータの姿が見えない。「ちょっと待って」 荷物を手に取ってくるだけ、にするつもりだったが、足は二階のベータの部屋の前に向…続きを読む