結婚式から二十五日。寝る前にバイオリン弾くのも習慣化してきた。それでも私のほうが先に寝るけどね。 旦那は仕事。私はお昼ご飯も食べ終わって、さて、何しよう。 寝室は片付けたし、客間も片付けたし。やることないわねぇ。 …続きを読む
長編
カラス元帥とその妻 7
結婚式から二十日。 家事は完璧。料理は…聞かないで。ホントに。 これだけ経つと、家の中の役割分担もはっきりしてきたみたい。 稼ぎ手はあの人。お金の管理はグレイ。庭の手入れと力仕事・日曜大工はマイケル。同じく庭の手…続きを読む
カラス元帥とその妻 6
朝ご飯はあの人が部屋に持ってきてくれたけど、あの人その後一体何やってたのかしら。 普通お休みって言ったら、やっぱりピクニックとか行くものじゃないかな、とか思って、実はちょっと期待してたのにな。 もう昼過ぎだし、無理…続きを読む
カラス元帥とその妻 5
あ~あ。失敗失敗。手に持ってるお皿落としそう…。 「そんなに落ち込まなくても大丈夫ですよ。私も最初はそんなんでしたから」 「…ありがとう」 「それに残さず食べてくれたじゃないですか」 でも、不味かったのは事実。 七歳も年…続きを読む
カラス元帥とその妻 4
結婚式から十四日目。 家事はもうドンと来いって感じになってきたわ。 ヤナも、『アカエ様が手伝ってくれるので私はとっても楽です』って言ってくれた。 ただし。 まだ、一つ残っているの。それは。 料理。そう。お料理…続きを読む
カラス元帥とその妻 3
結婚式から五日。 私が真っ先に悟ったのはこれ。 「暇!」 しまった。思わず独り言。 だって、向こうにいたころは、それなりに付き合いだのなんだのあったのに、こっちにはあんまりそういう風習がないらしくって。 国王と…続きを読む
カラス元帥とその妻 2
ああ。何かしら。この沈黙。仮にも夕食。ディナーよ。ディナー。五人も人がいるのに。 私だってしゃべったわよ。最初は。でもこの人ったら、『ああ』か『いや』しか言わないんだもの。 「仕事、どうでした? 何か変わったこととか、あ…続きを読む
カラス元帥とその妻 1
何でこうなったのかって? こっちが聞きたいわ。 私、これでも隣国の姫だったのよ。今は違うけど。 そもそも、なんで私がこんなところにいるのかっていうのが先よね。 最初は、見合い話だったの。この間結婚した、この国の国王とのね…続きを読む
カラス元帥とその妻 プロローグ
その儀式は、厳かに、かつ盛大に行われた。 国王の結婚式。 若くして王位に就いたこの王は、古くからの慣習を数多く破ってきた。 そして今回もまた、破った。 彼の妻となったのは、一介のメイドだったのだ。無論、賛否両論…続きを読む
男性化志望者とその友人 あとがき
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。めでたく完結いたしました。 本作品において後悔しているポイントは一つです。 そう。コメディーにならなかったことです。極力コメディー路線を保とうとはしたのですが、どん…続きを読む